全身ドック

人間ドックのなかでも、体全体を調査する全身ドック。
検査項目と発見できる病気を一覧にまとめました。1日・宿泊型の費用相場も調べています。

全身ドックの検査項目・費用と発見できる病名一覧

全身ドックの検査項目・費用と発見できる病名一覧人間ドックでは医療施設が導入している設備(検査機器)によって検査内容が異なります

基本的な身体計測と眼科・耳鼻科検診、レントゲン、胃カメラ、尿検査、便検査、血液検査などの基本的な検査項目だけのところもあります。[注1]

一方、最新鋭のMRIやCT、超音波検査装置などを駆使して体の隅々まで詳細な検査を行ってくれるところもあります。

ここでは、検査内容とそれによって見つかる病気の種類を見てみましょう。

[注1]公益社団法人 日本人間ドック学会:平成30年度 一日ドック・二日ドック基本検査項目[pdf]

全身ドックの検査内容一例

脳疾患:頭部MRI、頭部MRA、頚部MRA
MRIとMRAは強力な電波を使って体内を撮影する検査方法で、使用する機械は同じです。ただ、MRIは脳の状態をそのまま撮影し、MRAは血管のみをピックアップして撮影するという違いがあります。いわゆる「脳ドック」と呼ばれるオプションで実施する検査です。

脊髄:頚椎MR、腰椎MRI、頚椎X-P
MRIを含んだ電波によるスクリーニング検査のことを総称してMRと呼びます。X-Pはレントゲン撮影のことです。MRやレントゲン撮影を使えば、外部からは見えない脊髄の異常がないか、目で見て確認できます。

心疾患:心臓CT(造影)、心臓エコー、心電図
CTは、心臓の状態を輪切りにした形で撮影できるレントゲン撮影です。心臓の内部まで異常がないかチェックできます。血液の流れや心臓の動き方をチェックできる「心臓エコー」や、不整脈の有無などを調べられる「心電図」も併用して心疾患の検査をします。

肺疾患:胸部CT、呼吸機能検査、喀痰細胞診
肺がんや結核等の病気は、胸部のCTで検査できます。肺の病気を患っている場合、呼吸音に異常が出る場合もあるため、聴診器で呼吸音を聞いたり、肺活量が正常か調べる「呼吸機能検査」も行います。「喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)」とは、患者が吐いた痰のなかにがん細胞等がいないか調べる検査です。

腹部:腹部CT
腹部にある内蔵に問題がないか調べるための検査となります。

骨盤腔:前立腺MRI、子宮・卵巣MRI
男性の場合は前立腺、女性の場合は子宮や卵巣のMRIを撮影し、がんやその他婦人病の疑いがないかを調べる検査です。

消化管:経鼻内視鏡検査、全大腸内視鏡、直腸内視鏡、ピロリ菌検査、胃炎検査、便潜血検査
胃や腸といった消化管には内視鏡を挿入することで、がんや腫瘍、潰瘍、胃炎といった異常をいち早く発見することができます。「ピロリ菌」は胃がんや胃潰瘍の原因になるとされている菌です。
ピロリ菌を保有していると胃の病気リスクが高まることがわかっているため、内視鏡検査で胃の細胞を一部採取して調べます。
「便潜血(べんせんけつ)検査」は、便に血が混じっているかどうかを調べ、ポリープや大腸がんの可能性がないかを探るものです。

一般検査:身長・体重・BMI・腹囲・血圧・視力・聴力・血圧脈波検査
病気によっては、血圧や視力等に異常が出るものもあります。こちらの検査は一般的な健康診断と同じく、身体の基礎情報をチェックするものです。

尿検査:尿一般、尿沈査
糖尿病や腎臓病になっていると、尿から尿糖や尿タンパクが検出されます。そのような異常が確認された場合、その他の成分を調べるために尿を遠心分離機にかけ、精密な検査を行います。それが「尿沈渣(にょうちんさ)」です。

血液検査:腫瘍マーカー、感染症3項目、遺伝子検査1項目
血中のタンパク量やアルブミン、AST(GOT)、γ-GTP、クレアチニン、尿酸値、コレステロール値、CRP、抗原などを調べると、各種病気や梅毒、B型肝炎などの感染症といったさまざまな病気の有無を調べることができます。
また「腫瘍マーカー」と呼ばれる、がん細胞が作り出す物質が血中にないかも確認します。ただし、腫瘍マーカーが確認された=がん発症というわけではなく、あくまで指標となるものです。
「遺伝子検査」は採取した血液から遺伝子情報を調べ、遺伝的にかかりやすい病気や体質を明らかにし、生活改善に向けたアドバイスをするための検査です。

その他:画像CD、当日検査説明
検査で撮影したレントゲン画像等を、CDに焼いて持ち帰ることができる病院もあります。また、人間ドックを受ける場合は必ず当日に検査内容、検査結果について説明してもらえます。

全身ドックで見つけられる病気

全身ドックでは、血液、尿、各部のCTなどを通してさまざまな病気を検査します。ただ、人間ドックにどれくらいの効果があるのか、ときには10万円以上のお金をかける価値があるのか不安な人もいるでしょう。そこで、人間ドックによって実際どの程度病気が発見されているのか調べてみました。

公益社団法人日本人間ドック学会がまとめた「2015年人間ドックの現況(※)」によると、2015年に人間ドックを受診した人の数は約「316万人」です。

参考:『2015年人間ドックの現況』公益社団法人日本人間ドック学会

このうち、もっとも身近かつ重大な病気である「がん」の症例数は男女合計で8,305件。一見すると少ないように感じるかもしれませんが、とくに「胃がん」に関しては1984年には「70%」だった早期発見率が「81.5%」に上がっています。

つまり、人間ドックを受けたことで胃がんを早期発見できた人の割合はかなり高いということです。がんの治療は時間との戦いなので、早期発見率が高くなればなるほど治療法の幅も広がります。

もちろんすべての病気を早期発見できるわけではありませんが、少なくとも一部の病気に関しては早期発見できることがわかっているのです。治療のための猶予時間が手に入ると考えれば、人間ドックの有用性はいうまでもありません。

参考に、全身ドックで検査できる病気を一部ご紹介します。

  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • 頚椎腫瘍
  • 頚髄腫瘍
  • 頚椎血管腫瘍
  • 圧迫骨折
  • 椎間板ヘルニア
  • 変形性頚椎症
  • 後縦靭帯骨化症
  • 腰椎腫瘍
  • 腰髄腫瘍
  • 腰椎血管腫瘍
  • 腰椎分離症
  • 腰椎すべり症
  • 脊椎管狭窄症
  • 前立腺肥大症
  • 前立腺炎
  • 前立腺癌
  • 膀胱癌
  • 脳動脈瘤
  • くも膜下出血
  • 頚動脈狭窄
  • 肺がん
  • メタボ
  • 心筋梗塞
  • 心臓弁膜症
  • 心不全
  • 食道、胃、十二指腸の炎症、潰瘍、ポリープ、がん
  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • カルチノイド
  • 悪性黒色腫
  • 悪性リンパ腫
  • 潰瘍性大腸炎
  • 腎臓病
  • 尿路感染症
  • 貧血
  • 血液疾患
  • 赤血球増多症
  • 白血病
  • 紫斑病
  • 消化管
  • 膵臓
  • 甲状腺
  • 肝臓
  • 胆道
  • 前立腺
  • 卵巣
  • 梅毒
  • B型肝炎
  • C型肝炎
  • 肺気腫
  • 気管支炎
  • 喘息
  • 肺癌
  • 結核
  • 動脈硬化
  • 肝細胞癌
  • 肝嚢胞
  • 肝血管腫
  • 腎細胞癌
  • 腎嚢胞
  • 腎結石
  • 乳ガン
  • 乳腺症
  • 乳腺嚢胞など

全身ドックの費用相場

人間ドックのなかでも、全身ドックの費用は一般的にあまり知られていないかもしれません。インターネットで検索すると、1日ドックが3~5万円宿泊ドックで5~7万円などと書かれていることが多いようです。

標準的な身体検査に、X線撮影と超音波診断を組み合わせた程度の簡易的な人間ドックなら、その金額も間違いとはいえません。ですが、最新鋭のMRIやマルチスライスCTなどによる精密な検査を行う人間ドックの費用としては、少し安過ぎるように思えます。

全ての病気発見に対応した全身ドックには、事実上次の費用が必要になると考えてよいでしょう。

  • 【1日ドック】25~30万円
  • 【1泊2日ドック】30~40万円

全身ドック5万円からのように宣伝していても、各オプションを追加すると30万円以上になってしまうような人間ドックもあるので、検査内容をしっかり確認してから医療施設を選択することが大切です。

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