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糖尿病

このページでは、人間ドックの項目のひとつ血液検査で血糖値を調べることでわかる糖尿病について、その予防と検査の重要性について説明しています。

糖尿病の可能性を見つける方法

糖尿病はその名の通り、尿中に糖が出ることから名づけられました。糖尿病の人の尿にはアリが群がってくるという話も実際にあるそうです。ただ尿に糖が混じるだけではなく、血液の中に糖が増えすぎているという状態にあるのです。

本来体内に取り込まれた糖はインスリンというホルモンによって分解されます。しかし何らかの理由でこの機能がうまく働かなくなり血液が高血糖になり、さらに尿に糖が排泄されてしまいます。

糖尿病には元々インスリンの分泌がうまくいかない1型と、生活習慣や遺伝的影響によりインスリン分泌がうまくいかなくなり、血糖値が高くなる2型、糖尿病以外の疾病の影響や、薬の副作用によるものなどがあります。

尿糖値と血糖値−糖尿病の目安となる検査数値

糖尿病にかかっているかを見つけるには、血液検査と尿検査が一般的です。

人間ドックの検査では、以下の数値を調べることにより糖尿病の診断を行います。

  • 血液検査…「血糖値」「HbA1C」
  • 尿検査…「尿糖値(尿の中に含まれる糖の値)」

糖尿病の原因

2型糖尿病は生活習慣が要因となる

糖尿病には1型と2型、そのほかの糖尿病、妊娠による糖尿病の4種類があります。

糖尿病の原因は遺伝的要因と環境的要因によるものがありますが、2型は生活習慣が要因となることが多いです。

いずれの場合も、糖尿病は、インスリンの分泌が不足し十分な役割を果たせていないことが原因となって発症します。

遺伝的要素が原因の場合はその素因を変えることは難しいですが、環境的要因による糖尿病なら、生活習慣を変えることで防ぐことも可能です。

生活習慣が良くないと糖尿病になりやすい

糖尿病になりやすい人として挙げられるのは、生活習慣があまり良くない人です。例として、甘いものや脂肪分の高いものを好んで食べる人、若いころと比べ大幅に体重が増えてしまった人、お酒をよく飲む人、ストレスフルな生活をしている人、運動不足の人などが挙げられます。

その中でも注意したいのが肥満です。

肥満になるとインスリンの働きが悪くなってしまい、血液の中で糖の量が増え、糖尿病になりやすくなってしまいます。

そのほか、糖尿病にかかった血縁者がいるという人も、遺伝的要因によって糖尿病になりやすい人だといえます。

また、血縁者の中に肥満の人や脳卒中・心臓病などの疾患をもっている人がいる場合も、糖尿病にかかりやすいといわれています。

糖尿病の予防方法

食べ過ぎを避け、野菜中心の食事で肥満を予防する

肥満は糖尿病になるリスクを上げてしまうので、糖尿病を予防するためには、肥満にならないようにすることが重要といえます。

お腹いっぱいになるまで食べないと満足できないという人は、腹8分目の食事に慣れるように訓練し、食べ過ぎを防ぐところから始めてみましょう。

また、脂質の高い食事も肥満の原因になるので、野菜中心の食事をするようにしたいところです。肥満を防ぐのはもちろん、ビタミンや食物繊維など体に必要な栄養をたっぷり含んでいますので、肉よりも野菜の比率を多くした食事をとるように心掛けると良いでしょう。

普段からできるだけ歩いて運動量を増やす

運動は、肥満を防ぐとともに糖尿病も予防してくれます。

生活習慣病を予防するには、週に3~4日、30~40分のウォーキングをすると良いといわれていますが、なかなか運動の時間を取れない人も多いと思います。できるだけ歩くように心がけるだけでも運動量は高くなりますので、意識して歩くようにすると良いでしょう。

具体的には、普段エスカレーターやエレベーターで移動するところを階段にする、自転車や車での移動を徒歩に変える、といったことから始めてみてはいかがでしょうか。

害の多い喫煙を避け、禁煙に取り組む

喫煙は、交感神経を刺激し血糖値を上げてしまうほか、インスリンの働きを妨げてしまうので、現在喫煙をしている人は禁煙に取り組むと良いでしょう。

すでに糖尿病にかかってしまっている場合は、糖尿病の治療を妨げるほか、脳梗塞や心筋梗塞など糖尿病の合併症を引き起こす可能性も高めてしまうので、喫煙は「百害あって一利なし」です。

ストレスを軽減させる

ストレスも、糖尿病のリスクを高めるといわれています。

まったくストレスを受けずに生活することは難しいことでしょうから、ストレスを上手に軽減する方法を見つけておきましょう。

おいしいものを食べることがストレス解消だという人もいるかと思いますが、肥満につながる可能性もありますので、食べることよりも、体を動かすようなストレス解消法がベターでしょう。

なぜ糖尿病は早期発見が必要なのか

糖尿病は静かに病状が進行します。初めは自覚症状がないことから「何かおかしい」という異常に気づいた時にはかなり進行していた、という人もいる病気です。

糖尿病で恐れられているのは高血糖や尿糖ではなく、そこから起こる合併症です。

  • 失明…糖尿病性網膜症は成人の失明の主な原因となっていて視力矯正はできません。
  • 腎機能の悪化…尿毒症に罹り腎臓透析をしなければ生きていくことができなくなります。慢性透析患者が透析を受ける要因で最も多いのが糖尿病性腎症です(2018年度の調査)。[注1]
  • 手足の痺れ…全身に神経症状が表れますが、特に手足に多く見られます。感覚が鈍るためにけがや火傷に気付かなかったり、傷が治りにくいという特徴もあります。悪化すると指や脚が壊死してしまうこともあります。

このように糖尿病は悪化すると非常に大きな障害をもたらし、日常生活に問題を抱えることになります。ですからできるだけ早い段階で発見することが大切なのです。[注2]

そのためにも定期的に人間ドックで検査を受けることが有効だといえます。

[注1]日本透析医学会「第2章 2018 年慢性透析患者の動態|図 8 慢性透析患者 原疾患と性別,2018(調査概要記載なし)」[pdf]

[注2]国立研究開発法人 国立国際医療研究センター糖尿病情報センター「糖尿病ってなに?」[pdf]

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