呼吸器ドック
このページでは呼吸器ドックを検討している人に向けて、呼吸器ドックで行われている検査項目の内容や費用相場を紹介。また、呼吸器ドックで見つけられる病気や受診するメリットなどもまとめています。
呼吸器ドックの検査項目と発見できる病名一覧
呼吸器ドックは肺ドックとも呼ばれ、肺や気管支などの呼吸に関わる機能の検査を行います。肺がんや肺気腫、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの病気の早期発見に役立つ検査です。クリニックによっては基本的な人間ドックコースの検査項目に含まれている場合もありますが、肺ドックなどの名称で呼吸機能に特化した検査コースを設けている場合もあります。
呼吸器ドックの検査内容(例)
※施設やコースによって、受診できる検査が異なります。詳しくは各施設にお問い合わせください。
胸部X線検査
胸部X線検査では、胸部にX線を照射して肺に異常な陰影がないかどうかを調べます。肺結核・肺炎などの肺の炎症、肺がん等の発見を主目的としていますが、心臓が拡大していないかのチェックも可能です。X線は放射線の一種ですが、1回の被曝量はきわめて低く極端な回数を重ねない限りは人体への悪影響は考えられません。
胸部CT撮影
胸部CT撮影は、呼吸器の病気の早期発見に不可欠な検査です。CT装置が受診者のまわりを回転し、X線を360度の方向から照射。体の中を通過した後のX線の減少程度を測定し、コンピューターで体の断面を画像化して異常の有無を調べます。単純胸部X線検査に比べて肺の異常がはっきりとわかるため、初期の肺がんを見つけることが可能です。
肺機能検査
喘息や慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患などといった呼吸器系の病気の検査です。息を吸ったり吐いたりして、息を吸う力や吐く力、酸素を取り込む能力などを調べます。スパイロメトリーという機械を用いて、肺活量や一秒量、フローボリューム曲線を測定。フローボリューム曲線とは、息を吐くときのスピードと量を測定すると出てくるグラフのことです。
喀痰細胞診検査
喀痰細胞診検査とは、口から痰を採取し、痰の中の細胞成分を顕微鏡でみる検査のことです。画像で見つけられない気管支にできた肺がんを検出。肺門部肺がんの診断はレントゲン写真では見つかりにくいですが、痰の中にがん細胞が出やすいので喀痰細胞診が利用されています。ヘビースモーカーで、常時痰が出る方に特に必要な検査です。
経皮的酸素飽和度測定
経皮的酸素飽和度測定法は、パルスオキシメーターという器械という装置を指先に挟むように取り付けて、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する検査です。針を刺さず、動脈の血液に含まれる酸素の量を推定。呼吸が苦しい場合、パルスオキシメーターで酸素飽和度を測定すると低酸素かどうかを客観的に評価できます。
心電図
肺に不調があることによって心臓に悪影響を与えていないかどうかを調べます。心臓は拍動すると同時に電気が流れますが、その電気興奮を波形として記録したものが心電図となります。心電図検査は、数分間のその時だけの心臓の状態です。脈の乱れによる不整脈や心臓の拡大や肥大、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患などが分かります。
見つけられる病気(一部抜粋)
- 肺がん
- 肺気腫
- 肺線維症
- 換気障害
- 気管支嚢胞
- 慢性気管支炎
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 気管支喘息
- 肺結核
呼吸器ドックの費用相場
- 1万2,000円~1万5,000円程度
※参照元:人間ドックのマーソ 肺ドックの費用は?
呼吸器ドックに使用する検査機器(例)
喀痰細胞診検査
喀痰細胞診検査は、痰を分析して肺や気管支などの細胞の悪性度を調べる検査です。痰の中には肺の肺胞や気管支の分泌物が含まれているため、採取した痰に染色処理を行ってがん細胞が含まれているか調べます。がん細胞が含まれている場合は色が染まる仕組みです。
1日分だけでは癌細胞検出率が低いため、最低でも3日分の採痰が望ましいです。3日分の痰を1つの容器にまとめる蓄痰法、もしくは3つの容器に1日分ずつ別々に入れた連痰法で検体を提出します。
CT(コンピューター断層撮影)
CTとは、体の周囲からX線を照射することで得られた断面の情報を画像再構成し、断層像が得られる検査です。断面画像を3D化し、体内の立体的な構造の情報を得ることができるため、X線撮影では検出されにくい小さな病変も見つけることが可能です。胸部CT検査では、肺がんや肺結核、肺気腫、肺炎などをみつけることができます。
肺がんの早期発見に有効で、病変や血管走行を立体表示することで一層正確な診断が行うことが可能。肝疾患では肝細胞癌合併の早期発見ができ、治療に直結します。
肺機能検査
肺機能検査では、スパイロメータという機械を使って行うことが多いです。空気が漏れないように鼻をノーズクリップでつまみ、機械につながるマウスピースを加えて口だけで息を吸ったり吐いたりします。呼吸障害の程度を詳しく調べるときには、精密肺機能検査用の機械を使うことも。
姿勢によって検査結果が変わってしまうことがあるため、背筋を伸ばして姿勢よく検査に臨むようにしましょう。また、正確な結果を得るためには検査スタッフの指示に従い、一生懸命呼吸をすることが大切です。
呼吸器ドックを受けたほうが良いケース
呼吸器ドックは、以下のような症状がある方におすすめです。
- しっかり寝たつもりでも疲れがとれない方
- いびきがひどい方
- 喫煙者の方、または喫煙歴が長い方
- 家族に呼吸器系疾患がある方
- 息切れがひどい方
- 咳や痰が続く方
- 呼吸器疾患全般をじっくり調べたい方
呼吸器ドックを受けるメリット
肺がんの早期発見・治療につながる
肺がんは数あるがんの中でも罹患数・志望者数が多い病気です。肺がん罹患率は40代後半から増加しはじめ、高齢になるほど高くなります。
呼吸器ドックの定期的な受診によって肺や気管支内に発生するがんや、従来の胸部レントゲンでは見つけにくい心臓や血管、肋骨などに隠れている小さながんなどを早期に発見することが可能です。
肺がんは発見時点ですでに縦隔リンパ節などへ転移しているケースも多く、そうなると根治が難しいですが、早期に発見し適切な治療を行うことで治癒が望めるでしょう。
さまざまな呼吸器疾患の早期発見にもつながる
慢性閉塞性肺疾患(COPD)をはじめとしたさまざまな呼吸器疾患の早期発見にもつながります。慢性閉塞性肺疾患とは従来慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称で、タバコ煙などの有害物質を長期に吸入曝露することで生じる肺の炎症性疾患です。ほとんどの原因は喫煙で、特徴的な症状に息切れや慢性のせきやたんがあります。
破壊された肺が完全にもとの健康な肺に戻ることはありませんが、薬物療法によって症状を軽減することは可能です。呼吸器ドックで早期発見することで、適切な治療を受けることができます。進行を遅らせ、予後を改善することができるでしょう。
東京都内で、土日も人間ドックを受診できるクリニックを調査!
東京都内で、土日に受診でき、検査が半日以内で受けられるクリニック全4院を対象に、
- 検査時間
- 当日中に検査結果がわかるか(医師から結果をもとにした健康指導が受けられるか)
- 身体的負担の少ない、経鼻の胃カメラが受けられるか
を調査しました。
おすすめクリニック4選
- 東京人間ドッククリニック
(コース:胃カメラ・胸部CT付き人間ドック) -
- 検査時間
- 約80分
- 検査結果
- 当日
(検査結果説明:あり)
- 経鼻
- 〇
- 健診会東京メディカルクリニック
(コース:胸腹部) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 2~4週間後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- MYメディカルクリニック
(コース:半日人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- 東京ミッドタウンクリニック
(コース:人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後
- 経鼻
- 〇