子宮頸がん検査と子宮体がん検査の違い
子宮がんは大きく2つに分類される
子宮がんは、がんが発生する場所によって大きく2つの種類に分かれています。まずは、それぞれのがんにどのような特徴があるかを知っておきましょう。
子宮頸がん
膣に近い子宮の入り口にあたる「子宮頸部」にできるがんのことです。HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに持続的に感染することで発生すると言われています。
HPV自体はありふれたウイルスのため、性交渉ですぐに感染しますが、通常は自分の免疫力で体の外へ排除されます。
しかし、自然に排除されずに感染が長期間におよんだ場合、がんの前段階である「異型細胞」が増殖します。異型細胞が増えた状態がさらに続くと、子宮頸がんに進行しやすいと言われています。
子宮頸がんは20代以上であれば誰でも罹患する可能性があるため、若いうちから積極的に検査することが奨められています。
子宮体がん
子宮体がんとは、子宮の奥にあたる子宮体部の「内膜」に発生するがんのことです。そのため、子宮内膜がんとも呼ばれます。
子宮内膜は月経の度に剥がれ落ちるため、閉経前に発症することはあまりありません。ただし、閉経を迎えると発症リスクが高まるため、50~60代の女性に多いと言われます。
また、妊娠や出産をした経験がない方や動物性脂肪を多くとる方、肥満体や高脂血症、糖尿病などを持っている方も発症リスクが高いとされています。
子宮頸がん検査と子宮体がん検査はどう違う?
子宮がん検査は、内診や細胞診、場合によっては超音波を使って検査する方法が一般的です。
子宮頸部は膣の近くにあるため、子宮頸がん検査では、綿棒などで直接細胞をこすりとって顕微鏡で調べます。
また、腟内に「クスコ」という器具を挿入し、できものがないか、赤みやただれが起きていないか、おりものの状態は正常かなど、肉眼による診察も行います。
一方、子宮体がんの検査は、子宮頸部よりもさらに奥の細胞を採取する必要があります。
そのため、人によっては痛みや不快感を生じる可能性もあるでしょう。また、出産未経験の方や高齢の女性は子宮口が狭いか閉じている場合もあり、採取器具をうまく挿入できません。そのような場合は処置によって子宮口をひろげるか、麻酔をかけて検査します。
ひとつ注意しておかなくてはならないのが、一般的に「子宮がん検診」と言われるのは子宮頸がんを発見するための検診です。子宮の奥にある子宮体がん検査は、検診に含まれてないケースも多くあります。
子宮がんには2種類あり、子宮頸がんと子宮体がんで検査方法が異なることを知っておき、検査内容を事前に確認するようにしましょう。