人間ドックはなぜ医療機関ごとに違う?
人間ドックはクリニックが内容を決められる
人間ドックは受診者の健康状態をチェックして病気のリスクを調べる検査のため、病気の治療を目的に設けられた保険の適用範囲外です。自由診療に含まれるメニューなので、クリニックが自由にコースや内容、価格を決められます。
そのため、同じような検査内容であっても、立地やスタッフ数、ホスピタリティなどの要因によって費用に差が生じるのです。「なるべく金銭的負担を抑えたい」と考えている人は、費用に注目して受診先を選びましょう。
価格の高さ=精度の高さではない
クリニックによって人間ドックの価格は異なりますが、検査費用が高いからと言って必ずしも正確な検査を受けられるとは限りません。なぜなら、自費診療は医療機関毎に自由に価格を設定できるためです。
受診費用を左右させる主な要因は、医療施設の立地やホスピタリティ、スタッフ数などが挙げられます。そのため、価格だけを理由にクリニックを決めるのは良くありません。
専門の検診施設と病院併設施設の違いは?
人間ドックを受診できる施設には、専門の検診施設と病院併設施設の2種類があります。それぞれに特徴やメリットがあるので、まずはこの2つの施設の違いをチェックしておきましょう。
人間ドック専門の施設とは?
人間ドック専門の施設とは、その名の通り人間ドックのみを行う施設のことです。病院併設の人間ドック施設とは異なり、施設内に体調不良やケガを負った人が来ることはありません。もちろん、急患が運ばれてくることも緊急手術が行われることもないので、スムーズに検査を受けられるというメリットがあります。
また、待合室はゆったりとした雰囲気で、リラックスできるよう隅々まで配慮が行き届いているのがポイント。待ち時間によって1日の予定が崩れるのが嫌な人や、病院併設の施設だと具合が悪くなりやすい人は専門施設を選ぶと良いでしょう。
病院併設施設とは?
病院併設施設は、人間ドックの受診者以外にも受診来院している人や入院している人がいる医療施設のことです。医師や看護師も在籍しており、検査によって異常が発見された場合の対処や検査までの流れが非常にスムーズだというメリットがあります。
ただし、急患や緊急手術などが発生した場合はレントゲン技師や放射線技師が不足するので、「待ち時間が発生しても専門性の高い検査を受けたい」という人におすすめです。
施設によって検査データが異なる?
検査結果にばらつきが出る理由とは
人間ドックは、受ける場所によって検査結果にばらつきが発生します。なぜなら、検査で採用される手法や試薬はクリニックによってさまざまだからです。検査結果にばらつきが発生する主な原因は「溶血」。これは崩壊した赤血球中のヘモグロビンのことで、血清に混ざると検査の結果に異常をきたす原因になります。
溶血が発生する原因は、注射器の引く強さや試験管の運び方などさまざまですが、技術においては個人差が大きいので医療機関がいくら注意してもゼロにすることは難しいとされています。
重要なのはデータのばらつきではなく自身の変化
「データがばらつくと正確な結果が出ないのでは?」と不安になる人もいるかもしれません。しかし、真に重要なのは、データのばらつきではなく自身の変化です。過去に受けた人間ドックの数値と比較して、どのように変化しているかに注目すれば、健康状態の変化や現状を知ることができます。そのため、人間ドックを受ける際は、なるべく同じ医療施設を選ぶようにしましょう。