50代は毎年がおすすめ!人間ドックを行う適正頻度を知ろう
人間ドックは年に1回がおすすめ
会社で健康診断を受けられる場合、35~40歳くらいから、健康診断より項目が増える人間ドックに変わるところが多くあります。
40代でも年に1回受ける必要があるのですから、50代はなおのことオプション項目を増やし、より精密な検査を受けることをおすすめします。
男女問わず年齢によってかかりやすい病気があります。国立がん研究センターの2019年度の調査資料によると、女性の子宮頸がんにおける年齢階級別罹患率は20代から40代にかけて急激に高くなることが分かっています。[注1]
また、国立がん研究センターによる部位別がん死亡数の調査資料(2020年度)によると、子宮頸がんによる死亡者数は年間2,887人となっています。[注2]
子宮頸がんの原因は性交によって感染する「HPV(ヒトパピローマウイルス)」。性生活が活発な年代である20代から30代の女性にとって、けっして他人事ではない病気です。子宮頸がんになった結果子宮を摘出することになれば、将来子どもを産むことができなくなってしまいます。
「いつか子どもがほしい」と考えている若い女性にとって、2年に1度の子宮がん検診は必須の健康管理と言えるでしょう。
また、男性も30代になると肥満や糖尿病など、「生活習慣病」のリスクが上がってきます。働き盛りの20代から30代のうちに重ねた無理がたたって、病気になっているというケースも少なくありません。
生活習慣病の多くは肥満から始まります。しかし、生活習慣病や肥満には初期段階で自覚症状がありません。検査を受けずにいると、症状が重篤になるまで気が付かないというリスクがあるのです。
がんも生活習慣病も、早期発見早期治療をするのがお金もかからず体に負担のない対策になります。
人生を長い目で見たときの健康リスクを考えるなら、「20代の後半」、または「30代」から積極的に人間ドックやがん検診を受けるのがおすすめです。
女性は妊娠と出産のリスクを減らすためにも定期的な検査が必要ですし、男性も働き盛りの時期から病気の予防を心がけることで、結婚したり子どもができたりしたときに大病を患うリスクを抑えることができます。
"[注1]参照元:国立がん研究センター がん情報サービス「がん種別統計情報 子宮頸部|年齢階級別罹患率【子宮頸部 2019年】」
[注2]参照元:国立がん研究センター がん情報サービス「がん種別統計情報 子宮頸部|部位別がん死亡数【女性 2020年】」
"人間ドックの費用は「50,000~100,000円」
人間ドックの費用は、オプションやかかる日数によってまちまちです。半日ほどかけて簡易的な検査を受ける場合は50,000円前後、日帰りの人間ドックで8万円前後、病院で一泊して全身を徹底的に検査するコースなら100,000円前後かかります。
人間ドックを受けるにあたって一番大きな問題が費用の高さです。
健康診断よりも費用が高く、会社の指示で人間ドックを受ける場合も全額補助されるとは限りません。会社の考えにもよりますが、多くの場合会社が指定する人間ドックや健康診断は基本的なものだけなので、個人的に気になる部分をオプションで検査してもらうと別途費用がかかります。
ただ、年間数万円の出費で病気の早期発見や早期治療ができるのは出費には代えられないメリットです。いざ病気になってから治療を始めると、人間ドック数回分以上の治療費がかかってしまいます。
「医療費控除」や自治体の「医療費助成」を利用すれば通常よりもお得に人間ドックを利用できるので、普段から人間ドックに関する情報を集めておきましょう。
子宮がん検診費用は数千円程度
子宮がん検診の費用は、一般的に数千円から一万円程度です。[注3]
とはいえ、加入している保険や自身が住んでいる自治体、会社から言われて検査を受けるのか、もしくは個人的に検査を受けるのかなど、条件によって料金は違います。
たとえば、社会保険の協会けんぽに加入していて、提携している機関で検診を受ける場合だと検診の費用は最大970円(令和5年度)です。[注4]
子宮がん検診のように、特定の病気に絞って検査を受ける場合は費用面の負担も小さくなります。
[注3]参照元:人間ドックなび
[注4]参照元:全国健康保険協会
30代から40代にかけて受けるべき「脳ドック」
基本的な健康管理や予防は人間ドックや安価で提供されている自治体の検診を利用するとして、30代や40代からぜひおすすめしたいのが「脳ドック」です。
脳ドックとは、脳をMRIやMRAで検査して微細な脳内の出血や腫瘍などをチェックする検査のことを指します。
コレステロール値が高かったり、肥満から生活習慣病等になっていたりすると、男女問わず「脳卒中」のリスクが高まります。
脳卒中や脳梗塞はある日突然激しい症状が出ることも多いので、生活習慣病と脳卒中のリスクが高くなる30代から、年に1度脳ドックを受けましょう。多くの場合、脳ドックは人間ドックに含まれていません。
人間ドックの基本的な検査項目
基本の人間ドックの項目は、その種類によって異なりますが、一般的には身長や体重、聴力などの身体測定。
その他にも、血圧測定、血液検査、尿検査、大便検査、胸部レントゲン、心電図、腹部超音波検査、視力検査などの検査を行うところが多いです。
この基本的な項目から、さらにオプションを追加することで精密検査を受けることができます。
男女共通で50代になったら受けるべきオプション検査
50代の男女共通で、ぜひ追加してほしいオプション検査は、「胃がん」、「大腸がん」、「肺がん」の3つです。
基本的に検査を受ける頻度としては、肺がんは1年に1度、胃がんは2年に1度、大腸がんは3年に1度に検査をするとよいとされています。
国立がん研究センターによる2018年度の調査資料「年齢階級別がん罹患 部位内訳」によると、男性は40歳以上で消化器系(胃、大腸、肝臓など)のがんが5~6割を占めており、70歳以上では肺がんと前立腺がんの割合が肥大します。 女性は、40歳代で女性特有のがん(乳がん、子宮がん、卵巣がん)が全体の約7割を占めていますが、年齢を重ねるごとにその割合は小さくなり、消化器系(胃、大腸、肝臓など)と肺がんの割合が大きくなっています。[注5]そのため、男女共に基本検査には含まれない胃がん・大腸がん・肺がん検査をオプションで受けておいたほうが良いでしょう。
ちなみに、肺がんは、タバコを吸わない方でも検査を受けておくことをおすすめします。
喫煙者だから肺がんになるというわけではなく、非喫煙者でも副流煙の影響で実際に肺がんになった方もいらっしゃいますので、肺がん検査はぜひ受けておきましょう。
[注5]参照元:公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計2022|年齢階級別がん罹患 部位内訳(2018年)」【PDF】
男性におすすめしたい「前立腺がん」検査
「胃がん」、「大腸がん」、「肺がん」の検査に加えて、男性が受けておくべきオプション検査は「前立腺がん」です。
前立腺がんは、女性よりも男性の方が多くなるといわれており、またかなり病状が進行しないと疾患に気づきにくいといわれています。
がんは早めの発見で寛解の可能性が高くなる病気だという認識が強くなっていますので、万が一に備えて検査は受けておくべきです。
前立腺がんの検査を受ける頻度は、一般的には3年に1度でよいでしょう。
しかし、PSA数値が高いと指摘された方は1年に1度の検査をおすすめします。
女性におすすめしたい「乳がん」と「子宮頸がん」検査
女性も「胃がん」、「大腸がん」、「肺がん」の検査に加えて、受けておくべきオプション検査は、「乳がん」と「子宮頸がん」です。
近年、この2つのがんにかかってしまう人が増加しており、それでも早期発見によって寛解に向かう可能性が高くなりました。
とくに、乳がんは、進行すると乳房の全摘出手術をしなければならないなど、女性にとって辛いリスクがあります。
早期発見によって切らずに治療できる場合もありますので、定期的な検査は必須です。
乳がんと子宮頸がんは、2年に1度の検査でよいとされています。
ただし、再検査などになったことのある方は、1年に1度の検査をおすすめします。
みんなが気になる人間ドックのあれこれ
東京都内で、土日も人間ドックを受診できるクリニックを調査!
東京都内で、土日に受診でき、検査が半日以内で受けられるクリニック全4院を対象に、
- 検査時間
- 当日中に検査結果がわかるか(医師から結果をもとにした健康指導が受けられるか)
- 身体的負担の少ない、経鼻の胃カメラが受けられるか
を調査しました。
おすすめクリニック4選
- 東京人間ドッククリニック
(コース:胃カメラ・胸部CT付き人間ドック) -
- 検査時間
- 約80分
- 検査結果
- 当日
(検査結果説明:あり)
- 経鼻
- 〇
- 健診会東京メディカルクリニック
(コース:胸腹部) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 2~4週間後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- MYメディカルクリニック
(コース:半日人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- 東京ミッドタウンクリニック
(コース:人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後
- 経鼻
- 〇