人間ドックと健康診断の違いは?
いわゆる普通の健康診断と、人間ドックの違いを分かりやすく一覧にしました。
人間ドックと健康診断の違い
健康診断には、法律で毎年受けることが義務づけられている一般健康診断(一般健診)と、自分の意志で受ける人間ドックがあります。2008年からは、メタボリックシンドロームに特化して検査を行う特定健康診査(特定健診)が医療保険者に義務づけられました。
人間ドックと健康診断の違いを簡単に説明するなら、検査項目の数といえるでしょう。より詳細に健康状態を調べたければ人間ドックを、一般的に調べるなら健康診断を選ぶことになります。
それぞれの健康診断の検査内容との違いを比較してみましょう。
人間ドック・一般健診・特定健診の検査項目一覧表(例)
※施設や受診コースによって、異なります。詳しくは各施設にお問い合わせください。
検査項目 | 人間ドック | 一般健診 | 特定健診 | |
---|---|---|---|---|
身体計測 | 身長・体重・BMI | ◯ | ◯ | △ |
腹囲 | ◯ | ◯ | ◯ | |
血圧 | 血圧検査 | ◯ | ◯ | ◯ |
視力 | 視力検査 | ◯ | ◯ | × |
医師診察 | 問診・触診 | ◯ | ◯ | ◯ |
目 | 眼底・眼圧 | ◯ | × | × |
耳 | 聴力 | ◯ | ◯ | × |
呼吸器 | 胸部レントゲン | ◯ | ◯ | × |
呼吸機能検査 | ◯ | × | × | |
腎臓 | 尿素窒素・クレアチニン | ◯ | × | × |
尿蛋白 | ◯ | ◯ | ◯ | |
尿潜血 | ◯ | × | × | |
尿沈渣 | ◯ | × | × | |
糖代謝 | 血糖・尿糖 | ◯ | ◯ | ◯ |
HbA1c | ◯ | △ | △ | |
血球 | 白血球・赤血球・Hb・Ht | ◯ | ◯ | ◯ |
血小板 | ◯ | × | × | |
肝機能 | AST・ALT・γGTP | ◯ | ◯ | ◯ |
TBil・LDH・ALP・TP・Alb | ◯ | × | × | |
膵臓 | アミラーゼ | ◯ | × | × |
脂質代謝 | LDL-c・HDL-c・TG | ◯ | ◯ | ◯ |
尿酸 | 尿酸値 | ◯ | × | × |
副部長音波 | 肝臓・胆・膵臓・腎臓 | ◯ | × | × |
便 | 便潜血 | ◯ | × | × |
上部消化管 | 内視鏡・透視検査 | ◯ | × | × |
いつもの健康診断だけでは分からない病気が多い
メタボの検査に特化した特定健診は言うにおよばず、一般健診でも胸部レントゲン以外はがん検査がほとんど行われていないことがわかります。
国立がん研究センターのがん対策研究所はがんの種類ごとに検査方法の推奨グレードをまとめた「がん検診ガイドライン」を定めていますので、照らし合わせてみると分かりやすいでしょう。
参照元:国立がん研究センター がん対策研究所「がん検診ガイドライン」
検査項目が多いほど良いわけではありませんが、がん検査に対応していない一般健診や特定検診を受けているからと安心するのはNG。年齢や生活習慣の変化に応じて、がんの発症率は変動するためです。会社で毎年健康診断(一般健診)を受けている人も、将来のために人間ドック受診を考えてみてはいかがでしょうか。
人間ドックと健康診断の法的義務と診断費用の違い
人間ドックと健康診断は、どちらも体に悪いところがないかチェックする検査ですが、法的義務があるかないかに決定的な違いがあります。
企業では労働安全衛生法第66条に基づき、従業員に対して医師による健康診断を行わなければならないことが義務付けられています。
従業員もこれに従い、全員が健康診断を受けなければなりません。
また、会社の健康診断は法的義務に基づいて行われているものなので、費用は全て会社が支払います。そのため、従業員は診断費用を負担する必要はありません。
対する人間ドックは、完全に任意の受診となっているため、受けるも受けないも個人の自由です。
そのぶん、申込から手続きもすべて自分で済ませなければいけないため、会社の健康診断よりも手間がかかります。
当然のことではありますが、診断費用はすべて自腹となります。
さらに、健康診断ということで保険も適用されないため、金銭的な負担はかなりのものです。
人間ドックでは病気や身体のサインを早期発見できる
会社の健康診断は基本的な検査しか行いませんが、人間ドックの場合は便潜血、胸部レントゲンや腹部エコー、胃カメラなどの精密検査も受けられる可能性があるため、各種がんを早期発見できる可能性が高いでしょう。
また、無料オプションとして女性に嬉しい乳がん検診、喫煙者はとくにチェックしておきたい肺機能や肺年齢のチェックを行ない喫煙者向けの禁煙指導を行っているクリニックもあります。
さらに、メタボリックシンドローム予防のためのダイエットカウンセリングを実施したり、病気の有無だけでなく、現代人に多い生活習慣病の予防も手厚くサポートしてくれるサービスは、会社の健康診断にはないものです。
健康診断に比べると診断費用が実費というのはやや痛いところですが、病気を見過ごして将来的に長期治療を余儀なくされるのならば、人間ドックを受診して早めに病の種をつみ取っておいた方が長い目で見るとコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。
みんなが気になる人間ドックのあれこれ
東京都内で、土日も人間ドックを受診できるクリニックを調査!
東京都内で、土日に受診でき、検査が半日以内で受けられるクリニック全4院を対象に、
- 検査時間
- 当日中に検査結果がわかるか(医師から結果をもとにした健康指導が受けられるか)
- 身体的負担の少ない、経鼻の胃カメラが受けられるか
を調査しました。
おすすめクリニック4選
- 東京人間ドッククリニック
(コース:胃カメラ・胸部CT付き人間ドック) -
- 検査時間
- 約80分
- 検査結果
- 当日
(検査結果説明:あり)
- 経鼻
- 〇
- 健診会東京メディカルクリニック
(コース:胸腹部) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 2~4週間後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- MYメディカルクリニック
(コース:半日人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- 東京ミッドタウンクリニック
(コース:人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後
- 経鼻
- 〇