格安で検査する方法があるってほんと?
ここでは、人間ドックを格安で受診するための補助金についてリサーチしました。
目次
人間ドックが格安で受診できる補助金制度とは?
人間ドックは健康保険の対象外のため、1回の検査費用が高額。いくら精密検査ができるとはいえ、結構な出費になりますね。
少しでも格安にする方法はないものかを調べた結果、補助金(または助成金)を申請したり、保険の割引サービスを利用することで負担金額を減らすことができるようです。
大まかな手法は、以下の3パターンに分けられます。
- 国民健康保険の場合……役所で補助金を申請する方法
- 社会保険の場合……健康保険協会、健康保険組合の補助を利用する方法
- 生命保険の場合……提携医院で割引サービスを使う方法
それぞれについて、解説をしていきましょう。
1.国民健康保険編~人間ドックの補助金を申請する
国民健康保険に加入しており、滞納がない方(家庭)の場合は、人間ドックの補助金(もしくは助成金)を市町村の役所で申請することができるようです。基本的に、年度内に1回だけの申請となりますが、利用しない手はないでしょう。
[注意するべきポイント]
- 基本的に、年度内に1回だけ申請することが可能
- 居住している市町村によって、補助金額はさまざま
- 補助金の対象年齢に制限がある場合もあり
- 指定医療機関でない場合は手続きが面倒
現在では、生活習慣病の予防や、重病の早期発見のために、ほとんどの市町村で補助の申請ができますが、念のため確認をしてみてください。対象となるのは、人間ドック、脳ドックなどが一般的です。地域によっては、特定健診を受けた人は対象外となるケースもあるため、ご自身の通院状況をチェックしたうえで申し込みを行なうのがベストでしょう。
補助金額に関しては、定額制のところもあれば、検査費用に対する割合・上限金額が設けられている場合もあるなど、住んでいる市町村によって異なります。
東京都を例であげると、府中市の場合は20歳以上の府中市民に対して、1万円を上限に助成。ただし、ほかの助成制度や割引サービス、特別価格などで受診した場合は助成対象外となります。また、助成を受けるには市が指定する検査項目をすべて含んでいる必要があるため、助成制度の対象外とならないように受診前に医療機関へ必ず確認するようにしましょう[1]。
もうひとつの例として、江東区では江東区国民保険に加入している40歳以上~74歳以下の被保険者を対象に、8,000円の助成金を支給しています。実際に支払った金額が8,000円より少なかった場合は、実費分を助成。ただし、同一年度に特定健康診査を受診した方は助成制度の対象外になります。
また、江東区においても府中市と同様に助成要件や必要検査項目を満たしている必要があるため、受診前にしっかりと確認しておきましょう。
申請の手続きについても「受診前に申請」「受診後に申請」「受診前と受診後の両方に申請」といったように変わってくるので、事前にチェックを怠らないようにしてください。
補助の有無、申請手続きの方法、補助金の額すべてが自治体によって違うため、自治体のホームページを年に一度は確認しておきましょう。
自治体によっては国民健康保険の加入者に向けて格安の各種診断を提供している場合もあります。
1年ごとに自治体サービスを利用した健康診断と自費による人間ドックを受けるようにすれば、長い目で見たときの出費も抑えられるでしょう。
2.社会保険編~健康保険協会、健康保険組合の人間ドック補助を利用する
会社勤めをしている人は、社会保険に加入していると思いますが、この保険を利用して人間ドックの補助を受けるのも手です。中小企業の場合は、全国健康保険協会より発行された保険証(協会けんぽ)を利用していることが多いはずですから、指定医療機関に事前予約をすることで、格安で人間ドックを受診することが可能です。
基本的に、保険料を事業者と労働者で折半する社会保険は、国民健康保険よりも保障や給付が手厚くなっています。用意されている制度を利用するかどうかは加入者の考え次第ですが、せっかく用意されている制度を使わずにいてはもったないですよね。
社会保険はどこも公的なホームページ等を開設しています。普段、自身が加入している社会保険の約款や規約をチェックしていないという人も、この機会にチェックしておきましょう。
大手企業などに勤めていて健康保険組合に加入している場合は、人間ドックを受診する際に健康保険組合の補助が受けられますので、これを利用するのがおすすめです。
大手企業の健康保険組合は、従業員の数が多く資金力も豊富なので、福利厚生サービスが充実しています。一般的な社会保険に比べてもさらに補助金の額が高く、より格安で人間ドックを受けられる場合も少なくありません。
[注意するべきポイント]
- 基本的に、申請が可能なのは同年度内に1回だけ
- 健康保険組合の場合は、所属する組合によって待遇が変わる
- 補助を利用できる年齢は30~35歳以上がほとんど
- 指定医療機関で受診しなければならない
やはり、大企業やグループ会社になると、健康保険組合に入っていることが多く、メリットも多大です。一例を挙げると、電機メーカーのHITACHIなら日立健康保険組合、FUJITSUなら富士通健康保険組合といった会社単位の保険組合があり、提携している医療機関で人間ドックを受ければ補助を受けることができます。
また、業界に特化した組合の例として、NECけんぽ(日本電気健康保険組合)があげられます。会社がNECけんぽに入っている場合、30歳以上の被保険者および被扶養者は人間ドック補助を受け取ることが可能。補助の対象となる検査は日帰りの人間ドック検査で、オプション検査費用は一部の検査を除いて全額自己負担となります。補助対象になるオプション検査は、乳がん検査(マンモグラフィまたは乳房エコー)、子宮がん検査(子宮頸部細胞診)、男性50歳以上の前立腺がん検査(PSA)です。
NECけんぽの人間ドック補助を利用する場合、契約料金の30%の自己負担額で人間ドックを受診できます。[3]
ほかにも、東京不動産健康組合、出版健康保険組合、東京都医業健康保険組合といったように、業界ごとに組合があるので、詳しく知りたい人は「けんぽれん」(健康保険組合連合会)のサイトで、さまざまな健康保険組合について調べてみるといいでしょう。各健康保険組合に公式サイトがあれば、そこで補助金について知ることができるはずです。
もちろん、こういった恩恵は本人(被保険者)だけでなく、扶養家族(配偶者、被扶養者)もほぼ含まれますので、最大限に活用することが家計にも優しいといえるでしょう。
関東信越税理士国民健康保険組合のように、提携している指定の医療機関で人間ドックを受ければ、支払い時、人間ドックの料金から自動的に補助金が差し引かれるというところもあります[4]。しかも申請不要です。
手続きの面で見ても、自身が加入している社会保険を利用するほうが手間はかかりません。
また社会保険や大手企業の組合保険の場合、利用する医療機関が指定されているため、病院探しに時間を取らなくてよいというメリットもあります。
3.生命保険編~提携医院で人間ドックの割引サービスを使う
民間の生命保険に加入している場合も、人間ドックの割引サービスを受けることができるようです。例えば、大手のNISSAY(日本生命保険)では、提携医療機関で人間ドックを受診すると、検査費用から最大30%の割引。[5]
東京海上日動あんしん生命では、人間ドックやがんのPET検診で利用できる「人間ドック・脳ドック・がんPET検診優待サービス」を展開。
アフラック(アメリカンファミリー)などでも、割引サービスや人間ドックの紹介、予約サービスを展開しています。
大手の損害保険や、外資系の保険会社の立場からすると、保険の加入者が病気になると保険金を支払わなければならないため損になってしまいます。
人間ドックの費用を一部負担しても、そのぶん保険の加入者が長生きしてくれれば保険料の支払いで元が取れるため、人間ドックの割引サービスを提供しているのでしょう。
とはいえ、生命保険の割引サービスは一般にあまり知られていないこともあって、基本的に自分で調べて手続きをしないと適切な補助が受けられません。逆に、お得なサービスがあると知っていれば生命保険選びがしやすくなります。
[注意するべきポイント]
- 割引率は検査施設・検査内容によって変動する
- 検査機関や医療機関によっては割引が適用されない
- 他の割引サービスと併用することは不可が多い
生命保険では支払いの有無でトラブルも多いため、慎重になる方も多いと思いますが、サービス全体を考えれば、人間ドックの割引だけではないため、上手に付き合えばメリットが増える方もいるでしょう。
生命保険会社に連絡すれば、提携医院に予約を入れて人間ドックを受診するための手続きをしてくれるので、申請の煩わしさは少ないといえるかもしれません。
また、健康関連の手続きや割引サービスを生命保険にまとめておけば、人間ドックを受けたいときや病気になったときの連絡先を一本化できます。
節約のためにあちこちに連絡を取ったり調べ物をしたりするのが面倒に感じる人は、最初から人間ドックの割引サービスを行っている生命保険を選ぶのもひとつの手です。
ぜひ、ここで紹介した3つの手法をうまく活用することで補助金のサポートを得て、人間ドックを格安で受けましょう!
費用で妥協してはいけない人間ドックのポイント
格安のプランを選択すると、がんなどの重病の検査が抜けていたりします。安さのために命にかかわる病気の検査ができないのであれば、人間ドックを受診する意味がありません。費用も大切ですが、がんや感染症など受けるべき検査が含まれているかも重要な要素となります。
また、補助金制度を利用して人間ドックを格安で受けられるようになれば、浮いた費用で各種オプションもつけられるでしょう。人間ドックのオプションには、全員に必須ではないものの受けておいたほうがよい検査もたくさんあります。
具体的には、脳ドックもそのひとつ。多くの病気は早期発見・早期治療がなによりも大切なので、年に1度の人間ドックにお金をかけるメリットは大きいものです。
下記のページでは、大切な検査がしっかり含まれたクリニックを「検査にかかる時間の短さ」「検査項目数の多さ」「費用のリーズナブルさ」に注目してピックアップ。また都内で半日程度で人間ドックが受けられるクリニックもあわせて紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
大事な検査がしっかり含まれていて
半日で終わるおすすめクリニックを見る
中には割引制度を持つクリニックも
クリニックの中には、継続して定期的に人間ドックが受けやすくなるようにさまざまな割引制度を設けているところがあります。同じクリニックで人間ドックを受けるとお得になるリピート割引や、パートナーあるいは友人と2人で受診すると割引されるペア割引。会員システムを用意しているクリニックでは、入会することで人間ドックが会員特別価格で利用できる特典もあります。
ほかにも、家族や仲間を紹介すると割引される制度や、受診時の年齢で割引価格になる料金設定を行っているところも。浮いた費用でオプションを追加して、より詳しく検査してもらうことが可能です。クリニックによって設けている割引制度が異なるので、それぞれ比較して自分に合った割引制度を行っているクリニックを選ぶと良いでしょう。割引制度をうまく活用することで、定期的に人間ドックが受けやすくなりますよ。
参考サイト
[1]『人間ドック受診費用助成制度』府中市のホームページ
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/smph/kenko/kenko/josei/docjyosei.html
[2]『国民健康保険の人間ドック助成』江東区のホームページ
https://www.city.koto.lg.jp/250103/fukushi/kokumin/ninngenndokku.html
[3]『人間ドック補助』日本電気健康保険組合
https://www.neckenpo.or.jp/member/hoken/ningen_dok.php
[4]『人間ドック等補助金』関東信越税理士国民健康保険組合
http://www.ka-z-kokuho.or.jp/business.html
[5] 参照元:日本生命保険
https://www.nissay.co.jp/keiyaku/zuttomotto/heartful/care/dock/index.html
みんなが気になる人間ドックのあれこれ
東京都内で、土日も人間ドックを受診できるクリニックを調査!
東京都内で、土日に受診でき、検査が半日以内で受けられるクリニック全4院を対象に、
- 検査時間
- 当日中に検査結果がわかるか(医師から結果をもとにした健康指導が受けられるか)
- 身体的負担の少ない、経鼻の胃カメラが受けられるか
を調査しました。
おすすめクリニック4選
- 東京人間ドッククリニック
(コース:胃カメラ・胸部CT付き人間ドック) -
- 検査時間
- 約80分
- 検査結果
- 当日
(検査結果説明:あり)
- 経鼻
- 〇
- 健診会東京メディカルクリニック
(コース:胸腹部) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 2~4週間後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- MYメディカルクリニック
(コース:半日人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- 東京ミッドタウンクリニック
(コース:人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後
- 経鼻
- 〇