不整脈
このページでは、「不整脈」について解説しています。不整脈の種類や原因、不整脈を見つける検査についてまとめました。
不整脈とはどんな病気か
不整脈とは、脈が不規則になる・異常に速くなる・異常に遅くなるなどの病気です。脈が速い状態を「頻脈」、脈が遅い状態を「徐脈」とよび、それぞれ適切な治療を受けることが重要です。
頻脈(ひんみゃく)とは
頻脈とは、脈が異常に速い状態です。具体的には1分間に100以上の脈拍があれば頻脈と診断され、120回を超えると治療を受けることになります。
頻脈では、脈拍が異常に速いことで動悸や息切れを感じやすくなります。心臓の血液を送り出す効率が悪くなっており、「心房細動」を引き起こして心房がけいれんしたような状態になることも。心房細動では脈拍が1分間に300回ほどになることもあるそうです。
血液を上手く送り出せなくなった心房には血液が溜まってしまうため、血栓(血の塊)ができやすくなります。この血栓が脳に運ばれてしまうと脳梗塞を引き起こすため、危険な状態です。
徐脈(じょみゃく)とは
徐脈とは、脈が異常に遅い状態です。具体的には1分間に50以下の脈拍の場合に徐脈と診断され、40回以下になると治療を受けることになります。
徐脈は加齢によって発症することが多く、自覚症状がないことがほとんど。徐脈による脳への血液不足の失神・運動時の息切れ・疲労感・めまい・心不全による呼吸困難など、症状に気が付く前に倒れてしまうことも多いようです。そのため、人間ドックや健康診断の検査で無自覚のまま指摘されることも少なくありません。なお、徐脈と診断され「洞不全症候群」や「房室ブロック」などの病気が認められた場合には治療をおこないます。
脈が不規則になる「期外収縮」とは
頻脈や徐脈のほかに、期外収縮とよばれる症状があります。脈が不規則になる状態であり、不整脈と診断された人の多くが期外収縮であることが多いようです。
期外収縮は睡眠不足やカフェインの摂取、飲酒などの生活習慣で引き起こされ、健康な人でもなりやすいのが特徴。病気ではないため治療の必要はありませんが、体にとって良い状態とはいえません。期外収縮と診断されたら生活習慣の見直しをすることをおすすめします。
不整脈のなかでも「心房細動」にはとくに注意が必要
不整脈にはさまざまな症状があり、生理的なものや治療の必要がないものもあります。ただ「心房細動」にはとくに注意が必要。心房細動は脈が安定せず、体に血液を送ることが困難になる病気です。心不全や心膜炎が原因のこともあれば、ストレスや飲酒などがきっかけで引き起こされることもあります。
心房細動にとくに注意が必要な理由は、最悪の場合「脳梗塞を引き起こす」から。心房細動により心房が正常な収縮・拡張ができなくなると上手く血液を送り出せず、心房に血液が溜まり血の塊(血栓)ができてしまいます。その血栓が脳に運ばれると脳梗塞を引き起こすため、心房細動などの症状がみられる場合は血栓ができないよう服薬などの治療をおこなう必要があります。
心房細動かどうかチェックする方法
心房細動は心電図検査で診断されますが、初期は動悸や胸の苦しさ、脈がとぶなどの症状が現れます。さらに進行すると胸の痛みや息切れ、ふらつきやめまいなどを感じるように。しかし自覚できるほどの症状は現れにくく、ある日突然倒れることもあります。
自分でできるチェック方法としては脈拍を測るのが有効です。手首を曲げたときにできるシワ部分に反対の手の人差し指・中指・薬指をあて、脈が良く分かる場所を探しましょう。15秒くらい脈を測って不規則でないかを確認し、「脈が弱い」「脈が不規則」「脈が数えられない」といった症状がないかをチェックしましょう。もしも症状に不安がある場合は医療機関を受診することをおすすめします。
不整脈が起こる原因は?
不整脈が起こる原因としては病気による場合と生理的な場合が挙げられます。たとえば緊張した時やストレスを感じたとき、運動後や発熱時などには脈が速くなります。こういった生理的な要因で不整脈を起こしている場合はとくに問題はなく、一過性のものと考えられます。また、心疾患や高血圧、糖尿病などの病気が原因で不整脈が起こることも。不整脈の主な原因となる要素は以下のようなものが挙げられます。
- 心筋梗塞や狭心症
- 心不全や冠動脈疾患
- 虚血性心疾患
- 心筋症や心臓弁膜症などの心疾患
- ホルモン
- 血液
- 自律神経系のバランスが崩れる全身の病気
- 高血圧
- 糖尿病
- 動脈硬化
- 肺の疾患
- 甲状腺の異常
- 薬の副作用
不整脈を見つけるための検査とは
不整脈は心電図検査で見つけることができます。心電図は心臓が拍動するときに出る電流の波形を読み取って記録するものですが、正常な場合は規則正しい波形を記録します。不整脈の場合は波形が不規則になり、それをもとに診断します。
検査で見つけづらい場合はホルター心電計を活用
不整脈は心電図検査が最も得意とする症状ですが、患者さんによっては不整脈が1日のうち数分しか出ていないこともあります。心電図検査のタイミングで症状が現れれば良いのですが、タイミングが合うことはなかなかありません。
そのため「不整脈が疑われるけれど検査のタイミングでは記録できない」といった場合は24時間装着して記録できる「ホルター心電計」を用いて診断に役立てます。ホルター心電計は持ち運びできる小さな装置であり、胸にいくつかの電極を張り付けて心電図を記録します。そのため1日のうち数分しかないような不整脈も見逃さずに記録できるのです。
「問題のない不整脈」と決めつけず、きちんと受診が大切
不整脈は病的なものから生理的なもの、治療が必要なものから必要ないものまでさまざまです。人間ドックや健康診断で不整脈と診断されてもとくに問題はなく、治療が不要とされるケースも多々あるそうです。
しかし中には心房細動などのように治療が重要となる場合もあり、「自分の不整脈は問題ないだろう」と判断してしまうのは危険です。不整脈は自覚症状に乏しいうえ突然倒れる可能性のある病気のため、不整脈を疑われた場合にはきちんと医師の診療を受けるようにしましょう。
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(コース:人間ドック) -
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- 2~3時間
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