脊椎ドック
脊椎ドックを検討している人に向けて、脊椎ドックで行われている検査項目の内容や費用相場を紹介します。また、脊椎ドックで見つけられる病気や受診するメリットなどについてもまとめました。
脊椎ドックの検査項目と発見できる病名一覧
脊椎とは一般に「せぼね」と言われる骨のことで、首の骨から仙骨、尾骨のところまでを指します。姿勢を整え動作を円滑に行う上で重要となる部分で、体を支える柱としての役割や体を動かす機能、脊髄などの重要な神経を保護する働きがあります。そのため、脊椎が変形したりすると痛みやしびれなどの原因になることも。
脊椎ドックは、そんな脊椎についての精密検査です。首や腰の痛みの元となる椎間板ヘルニアの早期発見や予防に役立つ検査といえるでしょう。
脊椎ドックの検査内容(例)
脊椎ドックの検査は、頸椎ドック・胸椎ドック・腰椎ドックの3つに分かれているケースや、首と腰の両方を含めて脊椎ドックと呼ぶケース、すべての脊椎を検査して全脊椎ドックと呼ぶケースなど、施設によってさまざまです。
自分が受けようとしている病院・クリニックで、事前に検査内容を確認しておくようにしましょう。
検査名 | 頸椎ドック | 胸椎ドック | 腰椎ドック | 全脊椎ドック | |
---|---|---|---|---|---|
脊椎疾患 | 頸椎MRI | ◯ | ◯ | ||
頸椎CT | ◯ | ◯ | |||
胸椎MRI | ◯ | ◯ | |||
胸椎CT | ◯ | ◯ | |||
腰椎MRI | ◯ | ◯ | |||
腰椎CT | ◯ | ◯ | |||
レントゲン | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
一般検査 | 身長・体重・BMI・腹囲・血圧・視力・聴力・血圧脈波検査 | ※ | ※ | ※ | ※ |
その他 | 後日検査説明 (希望者のみ) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
※オプション料金を払って、一般検査を行なってくれるところもあります
MRI検査
脊椎のMRIを撮る検査です。脊柱管内の神経組織の状態を詳細に観察できるため、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、圧迫骨折など脊椎疾患の有無や病状などの診断に有効。また脊椎の状態もよく分かるので、椎間板の変性の有無やその程度、脊椎腫瘍や脊椎炎の有無を観察することも可能です。
CT検査
脊椎の骨・関節の状態を断面図や3Dの立体図として把握できる検査です。脊椎骨の形態を正確に観察することができて、コンピューター処理により任意の角度で画像を再構成することが可能。骨棘、分離症の有無、椎間板石灰化を詳細にチェックできるほか、大動脈瘤の有無、内臓由来(実質癌)の腰痛なども観察することができます。
レントゲン機能撮影
主に骨の状態を観察することができる検査で、脊椎不安定性、ゆがみ、骨の質などを把握することが可能です。脊椎不安定性とは、腰椎の骨同士のつながりが障害を受けることにより骨同士の安定感がなくなり、グラグラに動いてしまう状態のこと。主な症状は、椎間板や椎間関節からくる腰痛です。
神経根造影
必要に応じて、神経根造影検査をオプションで付けることもできます。脊髄腔造影とは、背中から針を刺して造影剤を脊髄腔に注入し、X線透視観察と撮影を行う検査のこと。数本の神経根の内どれが病変かを決定するのに重要な検査で、主に腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどの病態の把握と治療方針決定の参考として使われます。
椎間板造影
椎間板造影検査も必要に応じて受けられる検査のひとつです。腰の後ろから針を刺し、神経が通っている硬膜管内に造影剤を注入。椎間板の変性の度合いやヘルニアの部位などを観察することができ、MRIでは診断の難しい外側ヘルニアなど特殊ヘルニアなどの診断が可能。今後の治療や手術の部位・方法を決める参考にするために行われます。
見つけられる病気(一部抜粋)
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 脊椎圧迫骨折
- 後縦靭帯骨化症
- 脊椎不安定性
- 頸椎症性脊髄症
- 頸椎神経根症
- 骨粗鬆症
脊椎ドックの費用相場
脊椎ドックにかかる費用は、施設の規模や検査範囲、使用する機器によって変わってきます。どの検査を行うかは予算や症状などを総合的に判断し、医師と相談して決めようにしましょう。
- 2万7,000円~7万円程度(2023年11月時点・編集チーム調べ)
脊椎ドックに使用する検査機器(例)
MRI(磁気共鳴画像)
MRIは、強い磁石と電波を利用して体内の状態を断面像として描写する検査です。撮影する部位にコイルと呼ばれる専用の用具を体に装着し、ベッドに寝た姿勢で行います。検査を行う際はベッドが自動で動き、トンネル状の装置の中へ。
装置から工事現場のような大きな音がするため検査中はヘッドホンや耳栓を装着する場合もあります。検査時間は15~45分ほど。体を動かしてしまうと画質が落ちてしまうので、できる限り同じ姿勢を保つことが大切です。
CT(コンピューター断層撮影)
CTとは、X線を利用して体内の状態を断面像として描写する検査のことです。体の周囲からX線をあてて体の中の吸収率の違いをコンピューターで処理し、体の断面を画像に変換。検査時間は比較的短く、騒音や閉塞感が少ないという特徴があります。一度に広範囲の撮影ができ、骨の内部構造などを明確に描出することが可能です。
脊椎ドックを受けたほうが良いケース
次のような症状などがある場合、脊椎ドックを受けることをおすすめします。
- しつこい肩こりや腰痛がなかなかおさまらない方
- 腰や手足の痛みやしびれ、脱力などの症状がある方
- しばらく歩くと足がだるくなる・痛くなる方
- 背中や首、肩が痛む方
- 他の病院で症状の改善が見られない方
- 手術が必要と言われているがセカンドオピニオンを希望している方
脊椎ドックを受けるメリット
脊椎疾患の予防と早期発見
首や腰に不調を感じる方は多いです。ほとんどのケースでは悪い姿勢や運動不足に起因しますが、中には放置しておくと手遅れになる病気もあります。また、悪い姿勢や運動不足が続くと背骨が変形して取り返しがつかなくなることも。
脊椎ドックによって脊椎に関連する重大な病気が潜んでいないか調べ、予防策を講じていくことが可能です。脊椎の異常を早期に発見して予防することは、快適な日常生活を長く送り続けたり健康寿命を伸ばしたりするために非常に大切なことと言えます。
症状の原因解明と適切な治療法の選択
脊椎ドックを受けることで、腰痛や手足のしびれなどの症状の原因解明が可能です。なぜ痛みが発生しているのかが分かり、今後の療方針が立てられます。手術をするのか、薬やリハビリなどで治療していくのか幅広い選択肢の中から適切な治療法を選択することができるでしょう。
東京都内で、土日も人間ドックを受診できるクリニックを調査!
東京都内で、土日に受診でき、検査が半日以内で受けられるクリニック全4院を対象に、
- 検査時間
- 当日中に検査結果がわかるか(医師から結果をもとにした健康指導が受けられるか)
- 身体的負担の少ない、経鼻の胃カメラが受けられるか
を調査しました。
おすすめクリニック4選
- 東京人間ドッククリニック
(コース:胃カメラ・胸部CT付き人間ドック) -
- 検査時間
- 約80分
- 検査結果
- 当日
(検査結果説明:あり)
- 経鼻
- 〇
- 健診会東京メディカルクリニック
(コース:胸腹部) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 2~4週間後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- MYメディカルクリニック
(コース:半日人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- 東京ミッドタウンクリニック
(コース:人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後
- 経鼻
- 〇