どうやって調べる?人間ドックの検査項目
このカテゴリでは、人間ドックで行われているさまざまな検査がどのようにして行われ、どんなことがわかるのかについて解説しています。
その検査項目で何が分かるのか
人間ドックを一言で表すと、体に起こっているさまざまな異変や病気を少しでも早期発見し早期治療に結びつけるために行う検査です。
しかし体の中に起こる病気は非常に多彩で、部位や病気の性質、程度など個人差がとても大きいものです。病名は同じでも、その病気がどこにできてどんなふうに進行するのかは、人によって千差万別で同じ人はいません。そんな病気や異常をできるだけ的確に診断するために、さまざまな検査が行われています。
CTやMRI、エコーなど、人間ドックの検査項目は、名前は聞いたことがあっても、実際にはどんなことが行われて、そして検査によってどんなことがわかるのかは、説明を受けるまではよく分からない人が多いでしょう。
そこで人間ドックを受ける前の基礎知識として、検査の意味やどんな病気がわかるのかなどをわかりやすく解説していきます。
人間ドックで行われる代表的な検査項目
一般的に主流となっている検査としては、以下のものが挙げられます。
- 内視鏡検査…高性能のカメラを先端に付けたチューブを体内に挿入して行う検査
- CT(コンピューター断層)…体に全方向からX線を照射して撮影した画像をコンピュータ処理して行う検査
- 超音波診断(エコー)…体に超音波を当てて、その反射を解析して映像化する検査
- 腫瘍マーカー…血液検査によって、がん・腫瘍を発見する検査
- MRI(磁気共鳴画像)…磁気を使って体内を撮影する検査
- PET検診…陽電子放射線断層撮影によってがんを細胞レベルで見つける検査
人間ドックでは、これらの検査項目と検査する部位とを組み合わせて「がんドック」や「心臓ドック」「生活習慣病診断」などといったコースに仕立てることが多いです。
どの検査項目までが基本プランに組み込まれているかも、医療機関によってよってかなり異なります。プラン名・コース名を見ただけでは、どの検査が基本プランに含まれ、どの検査がオプションプランとして選択制になっているのかは分からないので、検査を受けるクリニックのWebサイトやパンフレットなどにしっかり目を通し、確認しておきましょう。
殆どの医療機関では、あらかじめ用意された人間ドックプランの他に、希望の検査をオプション項目として追加できますが、合算すると思いがけず高額になってしまう例もあります。なるべく最初から、自分の受けたい検査項目を含んだコースを選んだ方が無難でしょう。
内視鏡検査
胃や大腸の中を、ハイビジョンカメラで視診できる内視鏡検査。食事や水分の制限、検査の辛さで知られていて、人間ドックの中でも負担に感じる検査のひとつと言えるでしょう。しかし、医療技術の進歩によって、今では内視鏡検査の形状や種類も増えてきました。おかげで以前よりも無理なく検査を受けられるようになっています。
CT(コンピュータ断層)
体にX線を照射して全方向からの情報をコンピューターでスキャンし、照射部位の中の状態を検査できるCT検査。身体の中を輪切りにしたような画像を見た経験がある方も多いのではないでしょうか。その見た目通り、CT画像は断層写真とも呼ばれます。CT(コンピュータ断層)の仕組みや検査できる部位を詳しくまとめました。
超音波診断(エコー)
体の外から超音波を当てて、病変や病気の可能性がないかを調べるエコー検査。日本語では、超音波診断とも呼ばれます。エコー検査は、お腹の外に超音波が出る機器を当て、体の内部に向かって超音波を発し、音波を解析して映像にします。妊婦さんのお腹にあてて、胎児の様子を確認する妊婦健診でも活用される検査です。
腫瘍マーカー
腫瘍マーカーとは血液検査のひとつで、採血した血液に対象となる物質がどれくらい含まれているかを分析・数値化して、「がん」の可能性がないかを調べる検査です。悪性腫瘍(がん)のある人の中には、血液中に特定の物質が含まれています。腫瘍マーカーを参考にすると、がんの可能性のほか、どこにがんができているかまで診断できるようになります。
MRI(磁気共鳴画像)
MRIは、日本語に訳すと「磁気共鳴画像装置」の略で、磁気を使って人体の内部を撮影する機器です。MRIというと、ドーム型の丸いトンネルのような機械が特徴的でしたが、狭い所が苦手な方に向けて、最近ではオープンな形のMRIも登場しています。MRIは、どんな向きや位置でも撮影できるため、幅広い病気や怪我を発見できます。
PET検診
PETとは、「陽電子放射線断層撮影」という意味のある言葉です。がん細胞だけに反応する特別な薬剤を点滴で体内に注入して、それを専用の機械で画像化します。腫瘍マーカーなどのがん検査よりも早い段階でがんを発見できる可能性があることから、欧米をはじめ、多くの国や地域で積極的にPET検診が行われています。
肺機能検査(スパイロメトリー)
肺の機能に異常がないかを調べるための検査です。肺活量や努力性肺活量を、スパイロメトリーという測定装置で数値化することによって、肺の状態を確認できます。肺機能障害や肺線維症、肺炎などの病気の発見に有効です。検査は装置に息を吹き込むだけで行えるので、身体への負担が少なく検査時間も短め。10分程度あれば検査できます。
血液検査
人間ドックに限らず、健康診断でも行われることの多い血液検査。注射器で採血した少量の血液から、さまざまな病気のサインを見つけられます。一般的な健康診断の血液検査に比べて人間ドックの血液検査は検査項目が幅広く、肝臓や腎臓の異常、脂質異常症、糖尿病、貧血、感染症など、さまざまな病気の可能性が分かります。
尿検査
人間ドック当日の朝に自分で採尿を求められる尿検査。尿に含まれる蛋白や糖、沈渣、潜血、比重を調べることによって、腎臓の病気や尿路感染症、尿路結石を発見できます。前立腺肥大症や膀胱がんなどのサインを知るにも効果的です。サプリや栄養ドリンクの摂取によっては尿の成分に影響が出てしまうので、検査前夜の摂取は避けましょう。
心電図
心電図は心臓の拍動とともに流れる電気を波形として記録したもので、12種の波形の観察で心臓の全体像を把握できます。心電図検査では、心拍数の測定はもちろん、不整脈や狭心症、心筋梗塞、心筋症、心室肥大など、心臓の病気や可能性が分かります。痛みや放射線被ばくの心配もないため、負担を感じずに受けられる検査のひとつです。
便潜血検査
便の中に血が混じっていないかを調べる検査です。人間ドックの当日までに、自身で便を採取するよう求められます。便潜血検査では、大腸がんや大腸ポリープの可能性が分かります。ただ、検査で陽性が出たからと言って、必ずしも大腸がんというわけではありません。直腸検査や内視鏡検査などの精密検査で詳しく調べる必要があります。
喀痰検査(喀痰細胞診検査)
喀痰(かくたん)検査とは、痰を採取して痰の中にある細胞や成分を顕微鏡で調べ、病気の可能性がないかを調べるもので、喀痰細胞診検査とも呼ばれます。痰の中に細菌が含まれていれば感染症、がん細胞が含まれていればがんの可能性を疑います。肺がんや肺結核、細菌性・非細菌性肺炎、肺真菌症、気管支炎などを見つけるのに有効です。
東京都内で、土日も人間ドックを受診できるクリニックを調査!
東京都内で、土日に受診でき、検査が半日以内で受けられるクリニック全4院を対象に、
- 検査時間
- 当日中に検査結果がわかるか(医師から結果をもとにした健康指導が受けられるか)
- 身体的負担の少ない、経鼻の胃カメラが受けられるか
を調査しました。
おすすめクリニック4選
- 東京人間ドッククリニック
(コース:胃カメラ・胸部CT付き人間ドック) -
- 検査時間
- 約80分
- 検査結果
- 当日
(検査結果説明:あり)
- 経鼻
- 〇
- 健診会東京メディカルクリニック
(コース:胸腹部) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 2~4週間後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- MYメディカルクリニック
(コース:半日人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- 東京ミッドタウンクリニック
(コース:人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後
- 経鼻
- 〇