レディースドック
ここでは、通常の人間ドックの検査に加えて女性特有の疾患をカバーしたレディースドックについて紹介します。検査項目や検査で分かる病名、費用相場、レディースドックを利用するメリットなどをまとめているため、受診を検討している方は参考にしてみてください。
女性のための人間ドック・レディースドックの検査項目と病名一覧
レディースドックとは、一般的な人間ドックの基本プランに、乳がんや子宮頸がんといった女性特有の疾患を調べる検査項目を組み合わせた人間ドックのプランのことです。通常の人間ドックで分かる、がんや心臓病、脳血管疾患などの重大疾患のリスクに加え、乳がんや子宮頸がんなどの早期発見を目指せます。
女性に特化した人間ドックのため、クリニックや検査コースによっては女性医師や女性検査技師が対応する場合も。また、女性受診者のみを対象としたレディースデーの設定や女性専用エリアの設置など、女性がより受診しやすいように配慮したクリニックも増えています。
レディースドックの検査内容(例)
※施設やコースによって、受診できる検査が異なります。詳しくは各施設にお問い合わせください。
乳房超音波検査(エコー検査)
超音波を乳房にあてて乳がんを調べる検査です。組織にあたって跳ね返ってきた超音波を画像化し、異常がないかを調べます。マンモグラフィ検査と違ってX線を使用しないため、妊娠中の人でも検査可能。また、マンモグラフィには写らない小さなしこりも発見できます。
マンモグラフィー(乳房X線撮影検査)
X線を使って乳がんを調べる検査です。この検査では、乳房から脇の下にあるリンパ節にかけて、しこりの有無や大きさ、石灰化、乳腺のゆがみなどを観察します。専用の装置で乳房を押し広げて撮影するため、人によっては痛みを強く感じることもあり。生理前などで乳房が張っている時期は痛みを強く感じやすいため、痛みが不安な場合は乳房の張りが比較的少ない時期の受診がおすすめです。
子宮頸部細胞診
膣の奥にある子宮頸部(子宮の入り口)をブラシ状の小さな器具でこすって細胞を採取し、がん細胞がないか顕微鏡で調べる検査です。初期の子宮頸がんは自覚症状がほとんどないため、子宮頸部細胞診を通して病変を調べることで早期発見に役立ちます。
子宮内膜細胞診
子宮内膜細胞診は、子宮体がんを調べる検査です。膣の奥にある子宮体部(子宮内膜)をブラシなどでこすって細胞を採取し、がん細胞やがん細胞になりかけている異型細胞がないかを顕微鏡で調べます。家族や親族に子宮がん罹患者がいる場合は、定期的な受診が望ましいとされています。
経腟エコー(経腟超音波検査)
卵巣がんをはじめ、卵巣のう腫や子宮筋腫、子宮内膜症を調べる検査です。プローブと呼ばれる超音波器具を膣内に挿入し、超音波をあてながら子宮内や卵巣の状態を観察します。経腟エコーは身体の内部から観察するため、お腹の上から超音波器具をあてる検査に比べてより詳細な確認が可能です。
腫瘍マーカーCA125
卵巣がんの細胞が作り出す物質CA125の濃度を測定する血液検査です。卵巣がんや子宮体がんのほかに、子宮内膜症や子宮筋腫、良性卵巣のう腫にも反応するため、女性特有の疾患リスクに幅広く対応可能な腫瘍マーカーと言われています。
CA125は女性ホルモンのエストロゲンによって生成が促されることから、数値が上昇しやすい生理中や妊娠中の検査は避けたほうが良いとされています。また、不妊治療などで女性ホルモンが含まれる薬剤を服用している場合も、検査前にその旨を伝えておきましょう。
見つけられる病気(一部抜粋)
- 乳がん
- 子宮頸がん
- 卵巣がん
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫
- 卵巣のう腫
レディースドックの費用相場
- 4万~6万円程度
※参照元:人間ドックなび
レディースドックに使用する検査機器(例)
MRI(磁気共鳴画像)
MRIは、非常に強い磁石と電磁波を使って体内の状態を詳細な断面画像で描写する検査装置です。特に子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣腫瘍など骨盤内の病変に関して優れた検出能力を発揮します。また、乳がん検査において、MRI検査でしか描出できない多発乳がんの存在が多くの論文で報告されています(※)。
※参照元:J-STAGE「乳がん診断における画像検査の役割」
超音波診断装置(エコー)
超音波を使って、体内の様子を画像化する診断装置です。臓器の形や大きさ、血液の流れの速さなどを画像化することにより、診断に役立てることができます。被ばくの心配や痛みがなく、繰り返し検査できることから、日常診療から精密検査、治療のガイド、治療後の経過観察まで、幅広いシーンで用いられています。
X線マンモグラフィー
マンモグラフィー検査で用いられる、乳房撮影専用のX線装置です。通常のX線装置では乳房の撮影が難しいため、乳房を撮影するのに適したX線が用いられています。X線マンモグラフィーではしこりや石灰化のような小さな病変を写し出すことができ、早期乳がんや乳がん以外の病変の発見に有効とされています。
レディースドックを受けたほうが良いケース
「乳がん」「子宮頸がん」「子宮体がん」の3つのがんに対して、発症リスクのある人の特徴をまとめました。当てはまるものがある人は、該当するがんを調べられる検査の受診をおすすめします。
乳がん
- 未婚の人や出産経験がない人または初産が30歳以上
- 初経が11歳以前の人
- 閉経が55歳以降の人
- 肥満体質
- 乳腺炎や乳がんになったことがある
- 家族・親族に乳がんになった人がいる
子宮頸がん
- 性経験が早かった
- セックスの頻度が高い
- 複数のパートナーがいる
- 早婚だった
- 妊娠・分娩回数が多い
- 中絶や流産の経験がある
子宮体がん
- 50歳以上
- 閉経した人
- 不正出血がある
- 出産経験がない
- 肥満体質
- 高血圧、糖尿病の人
レディースドックのメリット
女性特有のがんの早期発見につながる
女性特有のがんは若い年代から発症リスクが高まるのが特徴で、女性の罹患数トップの乳がんは30代後半から発症リスクが急速に高まります。また、女性特有のがんは早期だと自覚症状がないまま進行するケースが多いため、レディースドックで定期的に検査を受けて早期発見・早期治療につなげることが重要です。
20代女性も子宮頸がんを発症するリスクがあり、子宮がんになる人の数も年々増加しています。そのため、20代のうちからレディースドックを受診することをおすすめします。
自治体や企業の検診(健診)と比べて制限が少ない
自治体や企業検診は比較的安価で利用できる一方で、以下のような制限が設けられています。
- 受けられる検査の種類に制限がある
- 対象年齢や頻度に制限がある(40歳以上の女性のみ、2年に1回のみなど)
- 受けられる施設が自治体や企業の提携施設に限られる
年齢制限のある自治体や企業の検診は、乳がんの家族歴があるなどの発症リスクを抱えている若い年齢の人にとって有効ではありません。また、受けられる検査の種類に制限があるので、がんの種類によっては早期発見につながらない可能性も考えられます。
レディースドックなら年齢や検査などの制限が少ないため、自身の発症リスクや希望に合った検査を受けたいという人におすすめです。
東京都内で、土日も人間ドックを受診できるクリニックを調査!
東京都内で、土日に受診でき、検査が半日以内で受けられるクリニック全4院を対象に、
- 検査時間
- 当日中に検査結果がわかるか(医師から結果をもとにした健康指導が受けられるか)
- 身体的負担の少ない、経鼻の胃カメラが受けられるか
を調査しました。
おすすめクリニック4選
- 東京人間ドッククリニック
(コース:胃カメラ・胸部CT付き人間ドック) -
- 検査時間
- 約80分
- 検査結果
- 当日
(検査結果説明:あり)
- 経鼻
- 〇
- 健診会東京メディカルクリニック
(コース:胸腹部) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 2~4週間後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- MYメディカルクリニック
(コース:半日人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- 東京ミッドタウンクリニック
(コース:人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後
- 経鼻
- 〇