便潜血検査

このページでは、人間ドックでおこなう「便検査」について解説しています。便検査とはなにか、便検査でなにがわかるのか、また便検査におけるデメリットなどもまとめています。

※2020年9月時点の情報です。

便検査とはどのようなものか

便検査とは、患者さんの便の中に血が混じっていないかを調べる検査です。人間ドックでおこなわれる便検査は「便潜血」を調べるものであり、飲食関係の従事者がおこなう検便とは目的が異なります。飲食関係従事者の検便では腸内細菌を調べますが、人間ドックや健康診断などでは便に血が混じっていないか、つまり大腸がんや大腸ポリープがないかを調べるのです。

便検査では以前は「化学法」がおこなわれていましたが、近年では「免疫法」が主流になっています。というのも、化学法では患者さんが摂取した肉や魚の血液や、胃潰瘍などの上部消化管の出血にも反応してしまっており、大腸の異常による血液反応かわからない問題がありました。そこでヒトの赤血球中のヘモグロビンにのみ反応する免疫法が導入され、偽判定の少ない方法として採用されるようになりました。

採取方法は検査キットの指示にきちんと従うことが大切

採便は患者さん自身でおこない、採取方法は検査キットの説明書きにきちんと従うようにしましょう。とくにトイレの洗浄剤に便が浸かってしまうと正しい検査結果が得られないため、注意が必要です。

便検査でなにがわかるのか

便検査、つまり便潜血検査では便の中に血液がないかを調べることで、「大腸がん」や「大腸ポリープ」の可能性の有無がわかります。
大腸がんは初期症状が非常にわかりにくいとされており、がんができた部分や大きさなどによって症状も異なります。たとえば血便や下痢、お腹が張る、便が細くなる、腹痛や貧血、体重減少などさまざま。また、「便潜血検査で陽性=大腸がん」というわけではありません。便潜血検査で陽性となった場合は追加で検査がおこなわれ、直腸検査や大腸内視鏡検査などによって大腸がんであるかを詳しく調べます。

検査項目によってわかる病気や症状

• 大腸がん
• 大腸ポリープ
• 大腸憩室
• 痔
• 腸炎

便検査のデメリット

便検査は患者さん自身が便を採取してクリニックに提出するため、苦痛や負担がほとんどない検査といえます。便秘や下痢気味の場合は採取が困難な場合もありますので、事前にクリニックに相談しておくと良いでしょう。

そして便潜血検査においてデメリットといえるのが、「偽陽性・偽陰性の可能性がある」ということ。潜血反応で陽性と出た場合でも大腸がんではない場合も多く、反対に陰性だったからといって大腸がんではないとも言い切れないのです。特に「化学法」では微量のヘム鉄にも反応してしまうことから、偽陽性の反応が起こりやすいといえます。

陽性の場合は精密検査をきちんと受けることが大切

便検査で陽性と出た場合に精密検査を受ける必要がありますが、潜血検査の精度の問題や痔や生理などを理由に挙げて精密検査を受けない方がいるようです。確かに便潜血検査が陽性でも大腸がんではなかったというケースは多いもの。ですが大腸がんは命にかかわる病気です。早期発見が大切なため、もしも便潜血検査で陽性と出た場合は速やかに精密検査を受けるようにしましょう。

都内で便検査に対応した人間ドックを行っているクリニック

野村病院

｢健康は最大の財産です｣をモットーに、昭和35年から人間ドックを実施。病気の早期発見・予防に力を入れています。便潜血検査は日帰り人間ドック・1泊人間ドック・オリジナル生活習慣病健診にて2回法でおこなっています。

野村病院の基本情報

聖路加国際病院

日帰りのほか宿泊ドックのコースも充実させており、ゆったりと人間ドックを受けられる聖路加国際病院。どのコースでも便潜血検査をおこなっており、日帰りコースと1週間の宿泊コースでは2日法で実施しています。

聖路加国際病院の基本情報

Kクリニック山王

豊富な人間ドックコースメニューで患者さんのニーズに応えているKクリニック山王。日帰りドックや半日ドックで便潜血検査に対応しています。便秘などで検便がなかなか出せない場合でも、人間ドック実施後1週間以内なら持参することが可能です。

四谷メディカルキューブ

充実した設備環境を活かし、精度の高い検査を目指している四谷メディカルキューブ。検査結果の数値や画像だけにこだわるのではなく、患者さん自身の背景も考慮した丁寧な診断をおこなっています。なお、便潜血検査は総合健診コースにて対応しています。

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