メンズドック
ここでは、男性特有の病気を見つけることに特化した「メンズドック」について紹介します。メンズドックでおこなう検査内容や費用相場、検査で見つかる病気などについてまとめました。
男性のための人間ドック・メンズドックの検査項目と病名一覧
メンズドックは男性のための人間ドックコースです。たとえばレディースドックでは婦人科検査のみをおこなうケースもありますが、メンズドックでは標準的な人間ドックコースに男性ならではのがん検査を加えたものとなります。
メンズドックの検査内容(例)
※施設やコースによって、受診できる検査が異なります。詳しくは各施設にお問い合わせください。
PSA検査(腫瘍マーカー検査)
PSA検査とは、立腺がんと前立腺肥大症を早期発見するために有用な血液検査です。腫瘍マーカーとは、がんの進行とともに増加する生体因子のこと。各臓器によって異なりますが、前立腺の腫瘍マーカーはPSAと呼ばれています。がんや炎症によって前立腺組織が壊れると、PSAが血液中に漏れ出し増加。血液検査でPSA値を調べることにより、前立腺がんやと前立腺肥大症の可能性を調べます。
前立腺エコー検査(前立腺超音波)
前立腺がんと前立腺肥大症を調べることが目的の検査です。超音波検査では下腹部に超音波端子(プローブ)を当てて前立腺の形や大きさなどを調べます。膀胱も同時に見るため、膀胱結石などが見つかることも。場合によっては、直腸からプローブを挿入して調べるケースもあります。痔の方は、事前に医師に相談しましょう。
前立腺触診(直腸内触診)
前立腺がんを調べることが目的の検査で、医師が肛門から直腸に指を入れて前立腺に触れて前立腺の形や硬さ、痛みの有無を触診します。
直接指で触るため原始的な検査のようにも思えますが、病気の兆候をいち早く探るためのスクリーニング検査として実施されることも多く、検査時間も数分と比較的簡単に行うことができる有用性の高い検査です。前立腺に炎症がある場合は強い痛みを感じます。また、前立腺がんがある場合には硬い腫瘤に触れることもあります。
見つけられる病気(一部抜粋)
- 前立腺がん
- 前立腺肥大症
メンズドックの費用相場
- 4~6万円程度
※参照元:人間ドックなび
メンズドックに使用する検査機器(例)
PSA(腫瘍マーカー)
PSAとは前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen)の頭文字をとった略称で、前立腺で作られるタンパク質のこと。採血で測定し、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられています。
PSAの基準値は4.0ng/mL以下と言われています。しかし、PSAが4.0ng/mLを超えたら必ず前立腺がんというわけではありません。PSA値が4.0~10.0ng/mLの時は「グレーゾーン」と呼ばれます。
また、PSA値は加齢とともに上昇傾向があるため一律に4.0ng/mL以下と基準値を決めるのではなく、年齢によって基準値を定める「年齢階層別PSA」という考え方も。そのため、医師はPSAの数値だけでなく、年齢・前立腺の体積やPSAの上昇速度などを考慮しながら組織検査の必要性を検討します。
年齢階層別PSA基準値は以下のとおりです。
- 50~64歳:3.0ng/mL
- 65~69歳:3.5ng/mL
- 70歳以上:4.0ng/mL
※参照元:前立腺がん検診ガイドラインダイジェスト版【PDF】
前立腺エコー(前立腺超音波)
前立腺エコーは、前立腺の全体像や膀胱への突出の程度、前立腺の全面積や肥大の体積を大まかにを知ることができる機器です。超音波プローブを患部にあて、体内の臓器からはね返ってくる超音波を画像として映し出します。超音波が伝わりやすくなるように、体の表面に検査用のゼリーを塗ってから超音波プローブをあてます。痛みや放射線による被ばくの心配がなく、体への負担が少ない検査です。
メンズドックを受けたほうが良いケース
前立腺がんは尿道や膀胱から離れた場所に発生するため、初期では自覚症状がありません。しかし、早期に発見すればほとんどのケースで根治が可能で、治療の選択肢も広がります。
前立腺肥大症は前立腺が肥大することにより尿道が圧迫されて、排尿障害をきたす病気です。多くの場合頻尿がみられ、残尿感が残る場合も。次のような症状や生活習慣がある方はメンズドックを受けるとよいでしょう。
- 夜間トイレのために起きてしまう方
- 尿切れが悪い方
- 家族に前立腺がんになった人がいる方
- ヘビースモーカー
- 飲酒習慣がある方
- 脂肪の多い食事や野菜不足など欧米型食生活の方
メンズドックのメリット
特有のがんの早期発見につながる
人間ドックの目的は、全身の健康をチェックしてがんや生活習慣病のリスクを早期に発見することです。基本的な身体測定、血液検査、胸部X線(レントゲン)検査、尿検査などが設定されていますが、前立腺の検査は一般的な人間ドックに含まれません。
前立腺がんは非常に罹患率の高いがんで、日本においても増加傾向にあります。ほとんどの場合で初期症状がありません。ただし、他の臓器のがんとは異なりゆっくりと進行するため、早期に発見できれば治りやすいがんであるとも言えます。
メンズドックを受けることで、通常の人間ドックでは見つからない前立腺がんなどの病気を早期発見することができるでしょう。
前立腺がんと前立腺肥大症はどちらも年齢と男性ホルモンが原因と考えられています。50歳を超えると罹患率は急激に高まることから、前立腺がん検診は一般的に50歳以上の男性に勧められています。
ただし、50歳未満でも発症する可能性もゼロではありません。50歳以上の方や前立腺がんの家族歴があるなど何らかの不安がある方は、メンズドックを受診してみることをおすすめします。
自治体や企業の検診(健診)と比べて制限が少ない
自治体や企業検診は比較的安く利用できる一方、以下のような制限が設けられています。
- 受けられる検査の種類に制限がある(PSA検査のみなど)
- 対象年齢や頻度に制限がある(50歳以上など)
- 受けられる施設が自治体や企業の提携施設に限られる
自治体や企業の検診での前立腺がん検診は受けられる検査の種類に制限があり、対象年齢や受診費用もそれぞれ異なります。メンズドックをはじめとする人間ドックは年齢や検査などの制限が少ないため、自身の発症リスクや希望に合った検査を受けられるでしょう。
東京都内で、土日も人間ドックを受診できるクリニックを調査!
東京都内で、土日に受診でき、検査が半日以内で受けられるクリニック全4院を対象に、
- 検査時間
- 当日中に検査結果がわかるか(医師から結果をもとにした健康指導が受けられるか)
- 身体的負担の少ない、経鼻の胃カメラが受けられるか
を調査しました。
おすすめクリニック4選
- 東京人間ドッククリニック
(コース:胃カメラ・胸部CT付き人間ドック) -
- 検査時間
- 約80分
- 検査結果
- 当日
(検査結果説明:あり)
- 経鼻
- 〇
- 健診会東京メディカルクリニック
(コース:胸腹部) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 2~4週間後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- MYメディカルクリニック
(コース:半日人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後(検査結果説明:別日、要予約)
- 経鼻
- 〇
- 東京ミッドタウンクリニック
(コース:人間ドック) -
- 検査時間
- 2~3時間
- 検査結果
- 約1か月後
- 経鼻
- 〇